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株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 様株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

年間出店20店舗超・750店舗の決済を支えるネットワーク
展開スピードと安定稼働を兼ね備えた環境を構築

導入前の課題

事業の拡大を支える次期ネットワークを模索

御社は「ドン・キホーテ」のほかにも、様々な事業を展開しています。

PPIH 大畑裕司氏

売り場面積・アイテム取扱数の大きなファミリー向けの「MEGAドン・キホーテ」や、特化型業態の「キラキラドンキ」なども展開しています。また、国内だけでなく、ハワイやカリフォルニアなどの米国や、シンガポールやタイなど東南アジアにも出店しています。より良いものをより安く提供するため、自社開発商品(PB)事業にも力を入れています。

大畑裕司氏
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
ITサポート本部 情報システム部 基盤運用課 課責任者
大畑 裕司 氏

数年前からネットワークの更改を検討していたそうですね。

大畑氏

主に店舗用に使っていたフレッツ光の輻輳が問題になっていました。バックアップ回線で使っていたADSLも、2024年3月末でサービスが終了することになっていました。もともとはこの2つの課題から検討が始まったのですが、一方で事業の拡大に伴い、既存のネットワーク環境に課題を抱えていました。出店を拡大していけば、トラフィックも増大していきます。将来を見据え、海外の拠点・店舗を含むネットワーク全体の増強が必要でした。ところが、検討中の2019年1月に「ユニー」を完全子会社化することが決まりました。
そうなると、当社とユニーのネットワーク統合を考えなければならない。そこで次期ネットワーク構想を一から練り直すことにしたのです。

次期ネットワークにはどのような要件を求めていましたか。

大畑氏

ネットワークは重要なビジネスインフラの1つです。最近は電子マネーを利用するお客様も増えており、ネットワークが止まると、決済ができません。トラフィックが増大しても、ボトルネックが発生しない安定性・信頼性の確保は大前提です。
また、新規店舗は月に1、2店のペースで出店しています。出店ペースに合わせてネットワークを展開できるスピードと拡張性も重要な要件でした。

選定の決め手

事業特性を踏まえたネットワークの全体構想を提案

次期ネットワークを実現するパートナーにIIJを選定した理由を教えてください。

PPIH 和田直樹氏

IIJには以前から基幹系ネットワークやセキュリティ対策の導入・運用をサポートしてもらっています。当社の業務やシステムをよく分かっている安心感の高さも提案をお願いした理由の1つです。

和田直樹氏
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
ITサポート本部 情報システム部 基盤運用課
和田 直樹 氏

大畑氏

1回の提案ですべて満足したわけではありません。いろいろやるべきことが重なって、要件が複雑化していたのです。以前から利用していたAWSとオンプレミスをつなぐネットワークをよりセキュアなものに変えることも考えていましたし、新たにMicrosoft 365の導入も検討していたため、そのネットワーク整備も必要でした。
これらをすべて視野に入れて、IIJと共に検討を重ねました。毎週のように定例会を開き、検討にはおよそ3年かけました。粘り強く、真摯に向き合ってくれる対応力には本当に感謝しています。

次期ネットワークの全体像を教えてください。

大畑氏

SD-WANサービスである「IIJマルチプロダクトコントローラサービス」を中心に、WANを構成しています。このWANには、国内のすべての拠点・店舗に加え、東南アジアの拠点・店舗もつながっており、グローバルなネットワークを構成しています。
重要拠点には帯域確保回線を採用、データセンターに10GBASEの設備を導入、店舗はIPoE方式を採用するなど、将来の1,000店舗安定稼働を見据えた拡張性の高い環境を構築しました。

和田氏

テレワーカー向けに「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」を導入し、セキュアなリモートワーク環境も整備しました。その後、AWSとつながるネットワークには「IIJ Smart HUB」を採用し、セキュアな閉域接続を実現しています。更にMicrosoft 365につながるインターネット回線も整備しました。

拠点・店舗に最適なネットワークを提供できるよう、独自の工夫も施したそうですね

大畑氏

拠点や店舗形態によって、必要になるネットワークは変わってきます。例えば、小規模店舗でネットワークの利用頻度もそれほど高くないなら、コストや納期を重視した構成でいいわけです。そこで、求められるネットワーク構成を大きく4つのタイプに分類しました。
タイプ1は信頼性重視型。本部系などの重要拠点での利用を想定したもので、主回線は帯域確保型回線で高速・高信頼を確保し、副回線はIPoEを活用したInternet VPNという構成です。
タイプ2はバランス型。一般的な店舗向けのネットワークで、主回線は高信頼と低コストを実現するベストエフォート型回線、副回線にはIPoEを活用したInternet VPNを採用しました。
タイプ3はコスト重視型。小規模店舗や離島での利用を想定したものです。主回線はIPoEを活用したInternet VPN、副回線は工事不要で利用できるモバイル回線「IIJモバイル」という構成です。
タイプ4は納期重視型。催事や緊急対策用途向けのネットワークです。副回線なしの主回線のみの構成で、IPoEを活用したInternet VPNかIIJモバイルを選べます。有線ネットワークの整備が難しい場合はIIJモバイルで対応します。
このタイプ分けを実現できるのが「IIJマルチプロダクトコントローラサービス」でした。拠点や店舗形態に応じて最適なネットワークをスピーディに調達できるようになり、大変満足しています。

利用イメージ

導入後の効果

出店スピードを阻害しない迅速なネットワーク導入が可能に

ネットワークの評価をお聞かせください。

和田氏

拠点・店舗向けネットワークをタイプ分けしたことで、個別にネットワーク設計する必要がなくなりました。新規出店の場合、規模や特性に応じてタイプを選択すれば、最適なネットワークを展開できます。例えば、急に開催が決まる催事であっても、本部から連絡があってから2~3週間で開通可能です。また、IIJマルチプロダクトコントローラサービスはSD-WANサービスなので、クラウド上でルータのコンフィグ情報を管理しています。拠点展開時のエンジニアによる現地でのルータ設定作業が不要のため、拠点展開が容易です。

大畑氏

タイプを決めて作業を進めても、ネットワークの手配や工事に時間がかかることもあります。ネットワークがないと、まともに店舗の営業ができず、大問題です。その場合、“タイプ4納期重視型”での暫定的な展開を検討することもできます。事業戦略にもとづく出店スピードに沿って安定的に店舗展開できるわけです。これは大きなメリットです。

ネットワークを利用する現場のユーザからは、どのような声が上がっていますか。

和田氏

速度や品質の向上は現場レベルで実感することはないでしょう。ネットワークは安定的に使えて当たり前と思われていますからね。ただ、クレームも上がっていないので、満足度は高いのだと思います。
その中で「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」の評価は高いですね。以前はリモートアクセスの回線も端末も数が限られていたので、コロナ禍でのリモートワークに対応できませんでした。そこで社員向け端末のノートPC化を進め、「IIJフレックスモビリティサービス/ZTNA」も導入しました。現在、約4,000アカウントを利用しています。
コロナ禍は収まりましたが、移動時や出張の際のリモートワークで多く使われています。電車での移動時でも回線が切れず、常につながっている――この便利さは非常に好評で、使えるアカウントを増やしてほしいという要望も上がっています。

今後の機能拡張の予定や、IIJに対する期待を聞かせてください。

大畑氏

ネットワークと共に重要になるのがセキュリティです。既に導入済みのEDRの機能強化に向けて検討を始めています。ビジネスを支えるネットワークの品質向上に向けて、引き続きIIJにサポートをお願いすると共に、セキュリティ面でも魅力的な提案を期待しています。

導入したサービス・ソリューション

お客様プロフィール

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス
本社:東京都渋谷区道玄坂2-25-12道玄坂通
設立:1980年9月5日
資本金:235億3,800万円(2024年6月30日現在)
お客様の暮らしを支え、買い物の楽しみを提供する「顧客最優先主義」を企業原理とする。「ドン・キホーテ」をはじめとするディスカウントストア事業、「アピタ」「ピアゴ」などの総合スーパー事業のほか、商業施設の開発や管理、訪日観光・国際交流の推進・広告プロモーションなど多様な事業を展開する。

株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス

※ 本記事は2024年3月に取材した内容を基に構成しています。記事内のデータや組織名、役職などは取材時のものです。

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