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データセンターの
最新技術は?

データセンターの最新技術や企業の事例など、
選定に役立つ情報をご紹介します。

なぜデータセンターが注目されているのか?

データセンターは、サーバやネットワーク機器などを保管し、安全かつ効率的に運用するための専用施設です。内部にはラックや電源、空調、高速回線などが整備されています。混同されやすいソリューションとして、クラウドがあります。クラウドは事業者が用意したITリソースを必要な分だけ利用できるサービスで、機器の購入や保守は不要です。

特に東日本大震災以降、災害対策や事業継続の観点から、オンプレミス(自社設備)のIT環境からデータセンターへの移行が進みました。そして、現在では、デジタル社会を支える重要なインフラとしても注目されています。

この記事はこんな方におすすめ

  • データセンターとクラウドの違いを整理しておきたい方
  • 災害対策やBCP(事業継続)に取り組む企業担当者様
  • ITインフラ選定のために、選択肢を広く検討したい方

データセンターの最新動向とは?

データセンターは、サーバやネットワーク機器などのITインフラを安全かつ効率的に保管、運用するための専用施設です。近年では、事業継続計画(BCP)、災害復旧計画(DR)の強化やデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速といった企業課題に対応するため、自社で保有していたサーバをデータセンターへ移行する動きが進みました。

BCPやDR、デジタル化推進のほかにも、データセンターは、セキュリティ強化、運用コストの最適化といった観点からも注目されています。

データセンターの社会的役割や課題

多くのデータセンターは、強固な耐震構造、免震構造を備えるとともに、電源系統の冗長化、無停電電源装置(UPS)や非常用発電機の設置などにより、災害時にも安定した電力供給が可能な設計となっています。また、物理及び仮想面のセキュリティ対策も徹底されていることから、金融機関の取引システムや交通インフラなど、社会を支える重要なシステムの基盤として広く活用されています。一般企業においても、基幹系をはじめとするミッションクリティカルなシステムの運用基盤として重要な役割を担っています。

一方で、データセンターの利用拡大に伴い、問題になっているのが電力消費量の急増です。特に、生成AIの活用が進む中で、GPU(Graphics Processing Unit)サーバの導入が進み、従来以上に多くの電力を必要とするようになっています。また、サーバの冷却に使用される空調設備も電力消費に大きく影響を与えています。

こうした背景から、近年のデータセンターには、エネルギー効率の向上や省エネルギー対策、更には再生可能エネルギーの活用といった、持続可能性への対応も求められるようになっています。

データセンターにおけるサステナビリティの動向

データセンターにおける電力消費が拡大する中、政府や企業による取り組みも進んでいます。2021年、日本政府が公表した「グリーン成長戦略」には幅広い産業分野での目標が設定され、データセンターには以下の目標が掲げられました。

  • 2030年時点ですべての新設データセンターを30%省エネ化、データセンターの使用電力の一部を再エネ化
  • 2040年までにデータセンターのカーボンニュートラルを目指す

また、経済産業省も「次世代デジタルインフラの構築」プロジェクトの一環として、データセンターの40%以上の大幅な省エネ化を後押ししています。環境省では、環境対応したデータセンターの新設や改修、また利用を支援する補助金制度により、データセンター事業者や企業の取り組みを支援しています。

こうした本格的な社会の要請に先駆けて、IIJではデータセンターにおける環境への取り組みを推進してきました。また、温室効果ガス排出量(Scope1、2)の7割以上を占めるデータセンターにおいて、「再生可能エネルギーの利用」と「エネルギー効率の向上」により、温室効果ガスの削減に取り組むことが重要と考え、以下の取り組み目標を設定しています。自社データセンターでは、環境マネジメントシステムに関する国際規格「ISO 14001」を取得しており、カーボンニュートラルを含む環境パフォーマンスの向上に向けて、様々な技術革新を通じた取り組みを進めています。

IIJの取り組み目標と施策

  • 2030年度におけるデータセンター(Scope1,2)の再生可能エネルギー利用率を85%まで引き上げる(再生可能エネルギーの利用)
  • 2030年度まで技術革新の継続により、データセンターのPUE(※1)を業界最高水準の数値(※2)以下にする(エネルギー効率の向上)
  1. PUE(Power Usage Effectiveness):データセンター施設全体のエネルギー使用量÷IT機器のエネルギー使用量
  2. 業界最高水準のPUE値:PUE 1.4 以下(2022年4月時点において、資源エネルギー庁はデータセンター業におけるベンチマーク指標及び目指すべき水準をPUE1.4以下と設定し、達成事業者は省エネ優良事業者とみなされる)

データセンターのベンダー選定ポイント

企業の大事なデータを預けるには、高い信頼性とセキュリティ、企業のニーズに合ったサービスを提供できるベンダーが必要です

災害発生時においても安定したシステム運用を継続するためには、データセンター自体の堅牢性と信頼性が極めて重要です。まず確認すべきは、建物の耐震・免震性能です。地震大国である日本においては、これらの性能が十分に確保されているかどうかが、事業継続の観点から不可欠な要素となります。次に、電源設備の信頼性も重要な評価ポイントです。大容量かつ冗長化された電源構成に加え、長時間の非常用バックアップ電源(UPSや非常用発電機など)が整備されているかを確認する必要があります。また、空調設備や防火システムの性能、入退館管理を含む物理的・仮想的なセキュリティ対策も、安定運用を支える重要な要素です。

建物やデータセンターの性能に加え、データセンターの立地も選定における重要な観点です。地震や水害など自然災害のリスクが低い地域であることに加え、障害発生時に迅速な対応が可能となるよう、自社拠点からのアクセス性も考慮すべきです。一般的には、拠点から60〜90分圏内が目安とされています。

こうした複数の観点を総合的に評価する指標として参考になるのが、「ティア(Tier)」基準です。これは、データセンターの設備信頼性や運用体制を4段階(ティア1〜4)で格付けするもので、日本国内では日本データセンター協会(JDCC)の定める基準が広く参照されています(※3)。一般的には、ティア3以上のデータセンターであれば、一定の信頼性と可用性が確保されていると判断できます。

昨今、企業の選定において重要性が高まっているのが「環境対応」です。特に、東京証券取引所のプライム市場に上場する企業には、社会的・環境的課題を含むサステナビリティへの対応と、その情報開示が求められています(※3)。更に一部の企業においては、自社の直接的な排出量にとどまらず、ITサービスの利用を含むサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量、いわゆる「スコープ3」の開示についても議論が進んでいます(※3)。こうした社会的要請の高まりを背景に、最適なエネルギー効率を実現し、環境負荷を最小限に抑える「グリーンデータセンター」であることが、企業にとっての選定基準としてますます重要な要素となっています。

主な評価ポイント

建物の耐震・免震性能

自然災害リスクとアクセス性を考慮した立地

電源設備の容量・冗長性・バックアップ体制

日本データセンター協会(JDCC)によるティア基準

空調・防火・セキュリティ対策(物理・仮想)

環境への対応(省エネルギー、再生可能エネルギー)

IIJのデータセンターサービス

IIJでは、高品質で環境性能に優れたデータセンターサービスに加え、柔軟に展開可能なマイクロデータセンター、更にデータセンターの建設支援までを提供し、お客様のビジネスをサポートします。

1高品質かつ環境性能に優れたデータセンターをお探しの方向け:
IIJデータセンターサービス

環境とデジタル社会を見据える先進のデータセンター

IIJデータセンターサービスは、国内最大級のバックボーンネットワークと高い運用技術を背景に、高品質なDCファシリティと多彩なネットワークサービスで、安定したインフラ基盤を提供します。国内最高レベルの安全基準をクリアし、金融機関や自治体、公的機関などのミッションクリティカルなインフラとしてもご利用いただいています。また、多くのエネルギーを利用する事業者の使命として、省エネルギー、再エネルギー対策などによるカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)の実現に積極的に取り組んでいます。

白井データセンターキャンパスの外観

IIJデータセンターサービスはこんな課題を解決したい方におすすめです

高速・低遅延なネットワークの確保

お客様のラックから構内回線に接続するだけで、IIJの高速・大容量バックボーンへ直結。安定したネットワーク基盤をご利用いただけます。BCP・DR対策を目的とした冗長構成にも対応しています。

高い環境性能(環境への対応)

業界最高水準の省エネ性能でお客様のニーズに対応します。カーボンニュートラルの実現に早くから取り組み、PUE1.3台を達成しています(自社データセンターの実績)。

幅広いソリューションと連携できる拡張性

データセンターにはIIJサービスとの接続口があり、豊富なサービス群と容易に連携できます。各種クラウドサービス、SD-WAN、リモートアクセス、セキュリティなどと統合でき、拡張性の高いシステム構成を実現します。

高い安全性、信頼性

国内最高レベルの安全基準をクリアしたデータセンター環境を提供します。国内データセンターはいずれも「データセンターファシリティスタンダード」の最高位「ティア4」または「ティア3」相当以上に適合。情報セキュリティや品質に関する国際規格にも対応しています。

データセンターに関する質問は
こちらから!

2設置場所を選ばないマイクロデータセンターをお探しの方向け:DX edge

サーバルームやエッジコンピューティング基盤に最適な
省エネ&小型データセンター

IIJでは、設置場所を選ばない、省エネ性能に優れたモジュール型のIT基盤として、マイクロデータセンター「DX edge」を提供しています。サーバスペースのほか、空調や電源、セキュリティや運用をオールインワンでご提供。拠点のサーバルームやエッジデータセンターに最適です。また、PUE1.2の高い省エネ性能で、一般的なサーバルームに比べて、消費電力を約40%削減できます。

マイクロデータセンター「DX edge」の写真

DX edgeはこんな課題を解決したい方におすすめです

サーバルームの老朽化や電気代の高騰

老朽化したサーバルームや自社データセンターの維持には、設備更新や高騰する電気代、運用負担など多くの課題が伴います。 DX edge は、PUE1.2という高い省エネ性能を実現し、一般的なサーバルームと比べて消費電力を約40%削減(※4)。更に、IIJによる遠隔運用保守により、現地に専任の設備担当者を置く必要がなく、運用コストと負担を大幅に軽減します。

  • Zella DC社による調査。PUE(Power Usage Effectiveness)はデータセンターなどの省エネ指標です。

サーバを設置すると暑い・うるさい

オフィスへのサーバ設置は、特に排熱や騒音など職場環境に影響を与えることがあります。DX edgeは、UPS、サーバ冷却、消火デバイス、セキュリティなどデータセンターに必要な機能を凝縮。屋外での長期間運用実績も豊富です。

DXやAI、IoTによってデータ量が増え続ける

クラウド上で大量データを処理・保存すると、通信コストや遅延が課題になる場合があります。また、工場や倉庫などではDX、AI、IoTの進展に伴い、データ活用が進む中、処理効率を高めるために、サーバを近くに設置したいというニーズが顕在化しています。DX edgeは、防塵・防水仕様で工場や倉庫など設置場所を選ばず、短期間での構築・移設が可能です。敷地内に設置し、データの近くで処理することで、リアルタイム性とコスト効率の両立を実現します。スモールスタートから柔軟な拡張にも対応可能です。

データセンターに関する質問は
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3データセンターを建設したい方向け:データセンターエンジニアリングソリューション

データセンター建設をトータルサポート

データセンターエンジニアリングソリューションは、データセンター建設プロジェクトを、コンセプトデザインから建設、運用まで一貫して支援するソリューションです。

IIJグループが建設・運用するモジュール型データセンターやハイパースケールデータセンターのノウハウを結集し、アセスメントからから設計・施工・運用までを一貫支援、お客様の事業環境に最適なデータセンターを実現します。

データセンターエンジニアリングソリューションはこんな課題を解決したい方におすすめです

データセンター事業の展開や参入

海外で提供しているデータセンターを日本国内でも展開したい。新たにデータセンター事業に参入したい

IIJは、1990年代からデータセンター事業に取り組んできました。自社施設の建設・運用で培った豊富なノウハウと、最新鋭のデータセンターの建設・運用経験をもとに、計画初期段階から施設全体を俯瞰し、ITとファシリティを融合させた、より高い次元のデータセンター建設を支援します。

データセンター建設の最適化

スケジュールやコストを管理し、
データセンターの価値を最大化したい

IIJでは、欧米では一般的で、日本でも近年取り入れられているCM(Construction Management)手法を駆使した高度なコンストラクションマネジメントを採用し、高度な建設プロジェクト管理・支援を提供します。

技術革新に耐えうるデータセンター

IoT、AI、エッジコンピューティングなどの進展を見据えたデータセンターを構築したい

IIJでは、国内初の外気冷却コンテナ型データセンターをはじめ、ITの進展や時代の要請にいち早く対応し、常に技術革新に取り組んできました。約30年にわたり培ったノウハウと技術力を活かし、お客様のニーズに最適なデータセンターの実現を全面的に支援します。

データセンターに関する質問は
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データセンターの導入事例

IIJがご支援したデータセンターの導入事例の一部を紹介します。

DDX Daiko Digital Transformation Service DX時代をリードする製造業向け業務支援トータルサービス

株式会社大興 様

業種
サービス業
従業員数
1~99人

ティア4レベルの高い安全性に優れたデータセンターを活用し
ファイルサーバのDR環境を整備

神奈川県 様

業種
官公庁・公社・公共団体
従業員数
5,000人以上

国内最大級の自治体情報セキュリティクラウド
高信頼のクラウドサービスを支えるデータセンター

データセンターへのよくあるご質問

システム移行にはいくつかの重要なポイントがあります。まず、現行システムの構成や依存関係を正確に把握し、移行計画を策定することが重要です。また、移行先のデータセンターが必要な性能・セキュリティ・可用性を満たしているかを事前に確認します。移行計画やスケジュールの策定にあたっては、業務への影響を最小限に抑えるため観点も必要です。また、自社の要件に適するデータセンター選定も重要です。選定ポイントは「データセンターのベンダー選定ポイント」を参照ください。

どうしてもクラウドに移行できないオンプレサーバなど、老朽化した自社のデータセンターをモダン化したい企業にとって、有効な選択肢の1つがデータセンターの移行です。なかでも設置場所の柔軟性、短期間での導入、省エネ、コスト削減といったニーズに応えるのが、IIJが提供するマイクロデータセンター「DX edge」です。運搬が可能で設置場所を選ばないモジュール型のIT基盤で、サーバスペースに加え、空調・電源・セキュリティ・運用機能をオールインワンで提供します。老朽化した自社データセンターからの移行によりTCO削減にも貢献します。

データセンターは物理的な場所を提供し、お客様資産の機器などを設置して利用する施設です。一方、クラウドは場所を選ばず、またお客様側で資産を持たずに、仮想的な環境で利用するものです。なお、データセンター上の機器を利用し、クラウドサービスとして提供されることもあります。

データセンターとは? クラウドとは何が違うのか

データセンターは、目的や運用体制に応じて、大きく以下のタイプに選ぶことができます。

ハウジング:自社機器を設置。高い自由度があるが、運用負担も大きい。

ホスティング:事業者が用意した機器をレンタル。運用負担が軽減。

データセンターサービスの選択肢は「ハウジング」と「ホスティング」

ラック数や電力使用量、回線使用料、サポートの有無などによって異なります。データセンターは、自社サーバに比べ、運用コストの低減、またBCP、DR強化による損失最小化などの効果で、中長期的にはコスト削減を期待できます。

グリーンデータセンターとは、エネルギー効率の最適化を図り、環境への負荷を最小限に抑えたデータセンターのことを指します。環境性能を評価する指標としては、データセンター全体の電力効率を示す「PUE(Power Usage Effectiveness)」が広く用いられています。気候変動対策やカーボンニュートラルへの取り組みが社会全体で加速する中、企業にも、グリーンデータセンターのように環境に配慮したデータセンターの選択が求められいてます。

グリーンデータセンターとは?グリーン化の方法や国内外の動向などを解説

デジタル化の進展によるデータセンターの需要拡大により、電力消費も増加しています。とくに、AI技術の活用が拡大する中で、AI処理に使われる「GPUサーバ」ではより多くの電力を消費するといわれています。こうした状況に対応するため、IIJをはじめとするデータセンター事業者各社では、様々な技術革新を進め、省エネ、再エネに取り組んでいます。

IIJ、データセンターにおけるカーボンニュートラルの取り組み

データセンターは電力をどれだけ使うのか(2024年8月)

企業のIT環境を支える重要な基盤であるデータセンターは、事業継続性や運用のしやすさといった観点から、自然災害リスクやアクセス性などを考慮し選定することが重要です。IIJでは、データセンターの立地条件を非常に重視し、全国の主要都市はもちろん、海外にもデータセンターを展開しています。

データセンターはどこにある?「場所」が大切な理由とその選定ポイントとは

データセンターは、サーバやネットワーク機器などを保管し、安全で効率的に運用するための専用施設です。企業にとっては、オンプレミス(自社設備)をデータセンターに移行することで、災害などに対して事業継続性を確保できるというメリットがあります。
データセンターは、電源系統の冗長化、無停電電源装置(UPS)や非常用発電機の設置などにより、災害時や停電などの電源トラブル時にも、安定した電力供給が確保できるよう設計されています。更に、効率的な冷却・空調装置によりサーバの温度上昇を防ぎ、安定的な運用が可能となるため、運用業務の負荷軽減にもつながります。

データセンターに関する質問は
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