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事業を通じた社会課題の解決

データ駆動社会の実現に向けて

少子高齢化や人口減少、医療介護資源の不足、低い食料自給率といった現代日本の様々な社会課題に対して、また循環型経済への移行や脱炭素化の推進など世界規模で対応が進められている問題に対して、行政や企業それぞれがデータ分析やAI技術の活用を試み、課題解決に取り組んでいます。しかしながら、行政や企業といった組織の枠組み、更には産業の枠組みを越えるデータ活用はまだまだ進んでいないのが現状です。

このような状況を踏まえ、IIJは様々なデータが安全に流通し、組織や産業の領域横断的な活用により、より高度で広範な社会課題を解決することができる「データ駆動社会」の実現を目指しています。

データ駆動社会

  • 社会活動を通じて生成・蓄積されるデータが、データ生成者の権利を守りながら安全に流通し、そのデータ活用から得られる洞察を元に課題が解決される社会
  • 多くのステークホルダーによりデータが多目的に応用され、これまで解決が難しかった様々な課題が企業・産業・国境の枠を超えて領域横断的かつ持続的に解決される社会

データ駆動社会では領域横断的にICTの積極活用が進み、例えば空飛ぶモビリティとオートパイロット、契約・決済の完全デジタル化、無人化された高度な防災対策、パーソナライズされた高度な医療や教育などがもたらされることにより、様々な面で「豊かさ」を共有できる社会・経済の実現が期待されます。

一方で、こうした社会を実現するためには、データの安全性や信頼性をどのように守るかが大きな課題となります。この課題に応えるために重要となるのが、データ提供者の意思やデータ主権を尊重しつつ、安全かつ柔軟にデータ連携を可能にする「データスペース」です。

IIJは、あらゆるものを「つなぐ」インターネットの発展を自らリードしてきたように、ネットワーク上で円滑にデータが流通するエコシステムを築き上げ、自らも有益なデータを生成しつつ、流通するデータを活用したビジネスを行い、社会を有機的に「つなぐ」役割を果たすことでデータ駆動社会の発展の担い手となり、より高度で広範な社会課題が解決される未来を目指して事業に取り組んでいきます。

IIJが実現を目指す「データ駆動社会」

AI社会のデジタルインフラ構築

生成AIをはじめとするAI技術は、社会や産業のあり方を大きく変えつつあります。一方で、AIの利活用を支えるためには、膨大な計算処理を安定的かつ持続可能に担うデジタルインフラが不可欠です。IIJは、インターネットを社会インフラとして支えてきた知見を生かし、AI社会にふさわしい次世代のデジタルインフラ構築に取り組んでいます。

近年、AIの高度化に伴い、AI基盤を収容するデータセンターの都市部への集中や膨大な消費電力が課題になっています。IIJは、通信と電力を統合的に整備・最適化する「ワット・ビット連携」の考え方のもと、地域分散型データセンターやエッジコンピューティングの活用を進め、需要の増大に柔軟に対応できるインフラの実現を目指しています。その一例として、高発熱GPUサーバにも対応可能なモジュール型エッジデータセンター「DX edge Cool Cube」を提供し、短期間・低コストでのAI基盤構築を支援しています。

また、AIの社会実装においては、計算基盤だけでなく、セキュリティやガバナンスの確保も重要です。IIJは、強みであるネットワーク、クラウド、セキュリティの技術力を生かし、AIセキュリティやデータ主権の保護に配慮したAI活用環境の整備にも注力しています。

IIJは今後も、デジタルインフラの環境負荷の低減と信頼性の向上を追求し、持続可能なAI社会の実現に貢献していきます。

宇宙分野における通信・データ基盤への取り組み

IIJは、地上のネットワークにとどまらず、宇宙分野においても通信・データ基盤を支える取り組みを進めています。

その一つとして、IIJは低軌道衛星を利用したブロードバンド通信サービス「Starlink(スターリンク)」の国内提供を開始しました。Starlinkは、山間部や離島、海上など、地上ネットワークでは通信確保が難しいエリアでも利用可能であるほか、災害発生時の非常通信手段としても活用が期待されています。これを従来から提供してきたネットワークサービスと組み合わせることで、より柔軟で強靭な通信環境の構築が可能です。

またIIJは、気象庁および国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が推進する、静止気象衛星「ひまわり9号・10号」の運用を行うPFI事業「静止気象衛星ひまわりの運用等事業」に参画しています。本事業においてIIJは、自社データセンターを活用した地上施設のIT・ネットワークインフラの構築および維持管理を担い、日本の気象観測・防災インフラの運営を支えています。

IIJは、インターネットの黎明期から培ってきたネットワーク技術と運用の知見を活かし、宇宙と地上をシームレスにつなぐ通信・データ基盤の整備を通じて、災害対応や安全・安心な社会の実現に取り組んでいきます。

生産性の向上

IIJグループは生産効率の向上を実現するために、常に最新技術を取り入れたネットワークサービスを世に送り出してきました。少子高齢化による労働人口の減少などの影響をおさえて経済成長を持続させるために、クラウドやIoT、Alなどの技術を積極的に活用し、製造現場の自動化やオフィスのIT化推進などを通して、社会全体の生産性向上に貢献していきます。

IoTによる産業支援

産業界での労働力不足や現場業務の高度化が進むなか、設備や作業環境の状態を把握し、現場の判断や対応を支えるデータ活用の重要性が高まっています。IIJは、産業分野におけるこうした課題に対し、IoTを活用した現場データの収集・管理・活用を支援するソリューションを提供しています。

台湾の産業用コンピューターメーカー「ADVANTECH」との協業により、産業IoTに特化したプラットフォームを国内製造業向けに展開しています。メーカーに依存せず、様々な産業機械、センサーからデータをクラウドに収集し、設備リモートモニタリングや生産数の見える化を行うことが可能です。これにより、製造現場や流通・保管現場、建設現場などにおいて、設備や環境の状態を遠隔から把握・監視し、状況の可視化やデータに基づく分析を行うことで、生産性の向上や現場業務の効率化、安全性の確保を支援しています。また、エッジデバイスやネットワーク機能を組み合わせた「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント」をはじめとするサービスにより、現場ごとの要件に応じた柔軟なIoT環境の構築にも対応しています。

IoTを導入した事例のひとつでは、自動車工場内の生産ラインにモバイル通信機能を持つ産業用PCを組み込み、設備稼働情報の取得と測定データを可視化・分析できるクラウド基盤を構築することで、品質および生産性の向上を実現しました。

また、食品の製造、保管、販売及び提供を行う事業者に対し、食品管理現場の温度データの収集と異常監視・通知を低コストで簡単に実現するソリューションを提供しています。HACCP(ハサップ)に則った衛生管理工程の中で、冷蔵庫・冷凍庫の保管時における温度記録を自動化し、温度管理の手間やミスを削減します。

近年では、収集したセンシングデータを活用し、現場作業者の熱中症リスクを予測する機能を提供するなど、作業環境の安全確保に寄与する取り組みも進めています。さらに、IoT向けマネージド型エッジゲートウェイサービスの活用により、IoT環境の柔軟な構築やデータ保全を実現し、現場で生まれるデータを安心して活用できる基盤の整備を支援しています。

IIJ's IoT  Service

クラウドによる業務効率化

企業のオンプレミス(自社運営)サーバをIIJのクラウドに集約することで、ハードウェア運用だけでなくセキュリティ対策やアプリケーション管理など、様々な運用負荷を軽減することができるオフィスITソリューションを提供しています。

自社の社員に対し、常に最新のオフィスアプリケーションを提供できるだけでなく、場所に縛られない柔軟なワークスタイルを実現することで、業務の効率化を推進します。

一方、業務環境がデジタル・ワークプレースへ変化することで、大容量・高速通信やVPN接続での安定性確保、マルウェア(※1)感染や情報漏えいなどのセキュリティ対策がより一層求められます。IIJは、様々な場所から、様々なデバイスで、様々なクラウドサービスを快適・安全に使うためのソリューションサービスやDXプラットフォームを提供し、マルチクラウドMSP(マネージドサービスプロバイダ)として、新たなサービスやソリューションを提供していきます。

これらのソリューションによりシステム運用者の負荷を軽減し、生産性向上に寄与します。また、システムから発生する膨大なアラートがシステム運用者の業務を阻害しないよう、自動フィルタリングとオペレーションの自動実行、システム監視、ジョブ管理に対応する、SaaS(※2)型の「IIJ統合運用管理サービス(UOM)」を提供しています。

  1. (※1)マルウェア:悪意のあるソフトウェアやコードのこと。
  2. (※2)SaaS:インターネット経由で、アプリケーションを遠隔から利用できるサービス。

データ活用・データ連携の支援

企業のDX推進やデジタルガバメント、スマートシティ構想など、社会全体でデータを活用した取り組みが進み、オンプレミスや複数のクラウドサービスなど様々な場所に分散されたデータを連携し活用することが求められています。
IIJは、クラウド運用の知見やシステムインテグレーションの実績を活かし、オンプレミスとクラウド間のデータ連携を実現する「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」を提供しています。

システム間データ連携を低コストかつセキュアに実現するサービスを提供することで企業のデータ活用とDX促進を支援しています。

機器設定・運用の効率化

IIJは、お客様先に導入されたルータをはじめとする多数のネットワーク機器に対し、初期設定と設置にかかる時間とコストの大幅な削減を実現し、機器運用を効率化する製品・サービスの開発に取り組んでいます。

IIJの自社開発ルータ「SEIL(ザイル)」シリーズを一元管理し、ユーザが自由にネットワークを構築・運用するためのフレームワークとして2003年に開発されたのが「SMF(SEIL Management Framework)」です。その後改良が進んだSMFは日米で特許を取得し、現在ではネットワーク機器を一元管理できるIIJマルチプロダクトコントローラサービスのほか、 広くIIJのサービスに採用され、運用効率向上に貢献しています。

SMFに対応する機器であれば、ケーブルをつないで電源を入れるだけで、すぐにネットワークサービスを利用できるため、ネットワークエンジニアによる機器設置場所での設定作業が不要になります。

子どもや高齢者、社会的弱者への支援

IIJでは地域社会における生活支援や見守り、介護・医療の拡充をIT・ネットワーク技術を活用し推進しています。また子どもの教育デジタル化におけるネットワーク環境整備や、インターネットの脅威からの保護など、子どものIT利用に関する問題を解決するサービスやソリューションを提供しています。これらの事業は、通信の恩恵を十分に享受できていない方々に向けた通信活用機会の増加やデジタルデバイドの解消につながっています。

介護・援護が必要な方を支える専門職連携プラットフォーム(IIJ電子@連絡帳サービス)

IIJは名古屋大学医学部附属病院と共同研究を行い、行政が進める地域包括ケアの実現に向けた、在宅医療介護に携わる専門職の連携プラットフォームとして「IIJ電子@連絡帳サービス」を2017年より提供しています。 このプラットフォームで様々な専門職が連携することにより、従来の職種の垣根を超えて効率よく活動を行うことができるのに加え、要介護者の情報を迅速・円滑に共有し、より充実した支援を提供することができます。近年では、行政による導入が進んだ結果、災害時の要援護者支援や救急連携、医療的ケア児を支える母子やヤングケアラーの支援など福祉の領域でも活用が広がっており、現在、全国76の区市町村において、29,000人以上の医療・介護・福祉関係者に利用されています。

社会的弱者に対してスマートフォン・タブレットを通じた情報提供や支援サービスの提供は広がりを見せていますが、在宅で介護を要する患者・高齢者の中には、ICT端末の操作自体が困難な方も多くいます。「IIJ電子@連絡帳」は、そうした方の生活を守る家族や専門職をICTによって繋ぐことでデジタルデバイドを解消し、誰一人取り残すことのない持続可能な社会の実現に向けて、サービス開発・機能拡充を進めていきます。

地域包括ケアを実現するプラットフォーム

地域包括ケアを実現するプラットフォーム

ICTを使った子どもと高齢者の見守り

共働き世帯の増加やコミュニティ意識の衰退等の環境変化に伴い、地域の人手で子どもを見守ることは困難になってきています。そのような課題を受けて、GPSで子どもの居場所や行動履歴を把握する見守り端末の活用が進んでおり、IIJは見守り端末メーカーにモバイル通信サービスを提供しています。代表的な例としてビーサイズ株式会社が提供する子ども用AI見守りロボット「GPS BoT」にIIJのSoftSIMが採用されており、子どもが学校に到着したり、通学路から大きく外れたりした場合に保護者に自動通知する機能を支えています。

また、一人暮らしの高齢者の増加が顕著になる中、遠く離れたご家族から高齢者の見守りサービスのニーズが高まっています。これを受けてIIJと中部電力が設立した合同会社ネコリコは、冷蔵庫の開閉でご家族の様子を見守る製品や、声やテキストによって、お互いのコミュニケーションをはかることができるロボットを開発・提供しています。

IIJではICTで子どもや高齢者を見守ることで、家族全員が安心して暮らすことのできる環境を提供しています。

児童生徒の学習用ネットワーク環境整備(IIJ GIGAスクールソリューション)

児童生徒に一人一台の端末配布や、高速ネットワーク環境の整備が推奨される文部科学省の「GIGAスクール構想」に基づき、全国の自治体や教育委員会向けに、安全で快適なネットワーク環境を提供しています。

全国で取り組みが進み2021年3月には小中学生一人一台の端末整備が実現しましたが、「遅い、つながらない」などネットワーク環境の整備不足が原因で、ICT教育の効果・利点が十分に得られていない教育現場が少なくありません。インフラ・ハード面の整備が大きな目的のひとつであったGIGAスクール構想に続く2025年度開始の次世代構想「Next GIGA」では、端末の更新に加え、デジタル教科書の普及やCBT (Computer Based Testing)の本格展開を目指して通信ネットワークの改善が求められています。IIJは、教育委員会向けの帯域確保型インターネット接続ソリューションを提供し、教育現場のICT環境の改善に貢献し、さらなるICTの利活用を支えています。

Webの脅威や有害サイトから子どもを守る(IIJmioみまもりパック)

IIJの個人向けモバイルサービス「IIJmio(ミオ)」では、子どもにも安心してスマホを使ってもらえるよう、オプションサービスとして「みまもりパック」を提供しています。不正アプリ対策、Web脅威対策、保護者による使用制限などのセキュリティ対策の他、子どもに見せたくないサイトをブロックするフィルター機能により、子どもが安心・安全にインターネットを利用できる環境を提供します。

世界の情報通信インフラ発展への貢献

インターネットの普及によって世界の経済・産業が大きく発展と利用による恩恵を享受してきた一方で、 インターネットを利用できる集団とできない集団との格差が生じる、デジタルデバイドと呼ばれる問題が発生しています。IIJは、日本のネットワークインフラを支えてきた技術を用いて、世界各国の通信インフラの整備を進めることで、デジタルデバイドの解消に努め、持続可能な社会の発展に貢献していきます。

ウズベキスタン通信インフラ発展を支援

ウズベキスタンでは、様々な業界のデジタル化によるデータ通信需要の急速な増大に対して、情報通信インフラの拡充を進めており、通信品質の向上や都市部と農村部のデジタルデバイドなどの社会課題の解決を目指しています。こうした中、IIJは、豊田通商、日本電気株式会社、NTTコミュニケーションズ(現:ドコモビジネス)と共同で、同国の通信環境を大幅に改善する基幹通信システムのデータセンターおよび通信インフラ整備を行う、通信インフラ発展プロジェクトを2023年から推進しています。IIJは自社で開発した省エネ型で高品質・高効率なコンテナ型ITモジュール「co-IZmo/I(コイズモアイ)」の提供、クラウドプラットフォームの構築、および国営通信事業者ウズベクテレコムのデータセンター運用担当者への教育などを行い、ウズベキスタンの持続可能な情報通信インフラの発展に貢献していきます。

東南アジアでの取り組み

IIJは、東南アジアにおいて、データを活用した社会課題の解決と持続可能な地域発展に貢献するため、IoTやクラウド、ネットワーク、セキュリティを核とした事業を展開しています。各国で異なる法規制や社会環境に対応しながら、信頼性の高いデジタルインフラを提供し、現地に根ざしたデータ利活用を支えています。

IoT分野では、交通やインフラ管理を中心に、データ収集から分析、活用までを一貫して支援する仕組みを提供しています。タイでは商用車の運行前後に実施されるアルコールチェック結果をクラウドで管理する安全運行支援、インドネシアでは車両搭載カメラの画像をAIで解析し道路損傷を検出する道路維持管理支援を行い、交通安全やインフラ管理の効率化に貢献しています。

またインドネシアでは、研究機関や現地企業と連携し、交通輸送や地図情報分野におけるIoTデータ分析やアルゴリズム開発を推進し、データに基づく社会インフラの高度化を支援しています。

さらに2025年には、IIJグループの現地法人がインドネシア国家船級協会と協力し、港湾や海事施設向けに通信回線およびセキュリティサービスを提供する枠組みを構築しました。これにより、重要インフラ分野における通信の信頼性向上とサイバーセキュリティ強化を通じ、地域の安全に貢献しています。

地方創生と地域DXへの貢献

人口減少と都市化の進行により、医療へのアクセスや雇用など、多くの面で都市と地方の格差が生じています。国は、地方創生のための施策の1つとして、地域の中堅・中小企業や自治体におけるIT活用を大きく打ち出しています。IIJは、「ローカル5G」をはじめ、ITの利活用を推進することで、地域経済の発展に貢献しています。

ITによる産業振興

松江データセンターパーク

島根県及び松江市は、企業誘致やエンジニアの移住支援等の施策により、IT、ソフトウェア産業分野の産業振興に力を入れています。IIJは島根県と松江市から立地計画の認定を受け、2011年にクラウドコンピューティングのためのデータセンター「松江データセンターパーク(以下、松江DCP)」を開設しました。松江DCPを通じて、地域の産業振興及び雇用の創出に貢献しており、施設見学会を通じた高校生のキャリア教育支援も実施しています。

松江データセンターパーク

ローカル5G技術の産官学共同開発と地域ネットワークの支援

5Gは、超高速・超低遅延・多数同時接続を可能とする次世代通信技術であり、ローカル5Gは特定の地域において、自治体や企業などが自ら設置・利用できる5Gネットワークです。

IIJはこのローカル5G関連の技術開発プロジェクト等に参画し、地域ネットワークの発展を支援しています。

地域DXの取り組み

IIJは白井データセンターキャンパスが立地する千葉県白井市の行政、教育機関、地域の関係者の方々との相互連携を推進しており、2024年からは同市より借り受けた市内の実証圃場において、スマート農業関連のセンサーやIoT機器の技術実証、新しい通信規格の試験等を行っています。2024年11月には白井市と「包括連携協定書」を締結し、白井市の教育振興や地域DXのさらなる推進を目指して、相互協力関係を発展させています。

農業支援

超高齢社会の到来により、日本の農業従事者の平均年齢が65歳を超える一方、経営の大規模化が進み、農作業の効率化、省力化は大きな課題となっています。その中でICT技術を活用する「スマート農業」を普及させる取り組みが全国各地で急速に進みつつあり、IIJも、農業分野でご活用いただけるサービスの研究開発を行っています。

IoTで農業の課題解決を推進

IIJでは2017年から水田の水管理の省力化を可能とする「ICT水管理システム」の開発を進め、安価な水田センサーの開発に成功しました。農業従事者の高齢化や、離農を受けた管理農地の拡大や分散が進み、農業従事者の負担増が大きな課題になっていますが、この「ICT水管理システム」により、自宅や作業場にいながら、スマートフォンで水田の状況把握と水量の管理運用が可能になり、農家の方の水管理にかかる労働負荷を大幅に軽減しています。

また、水田に設置したセンサーから取得したデータを元に稲の生育状況を算出し、算出した生育状況に応じて水管理を自動で行う仕組みを2022年に開発しました(2024年特許取得:特許第7425846号)。2023年からは土壌水分センサーや気象センサーから取得したデータをクラウド上に収集し、可視化・分析することでみかんの収量向上を目指す実装検証を行うなど、これまで栽培暦や経験則に頼ってきた作業を、IoT技術で可視化・定量化することで、収穫量の増加や品質向上に加えて、水管理技術の継承にも貢献していきます。

IIJが提供する農業IoT

IIJが提供する農業IoT

気候変動に対応できる持続可能な農業の実現へ

sensiphia

地球規模の気候変動が進む中、農業分野はその影響を大きく受けることが指摘されています。年々深刻化する異常気象による生育不良といったリスクへの対応においては、従来の栽培ノウハウに依らない、新たな手法の導入が急務となっています。また、特に日本国内においては、農業従事者の高齢化や担い手不足が進行しており、農作業の省力化や効率化は喫緊の課題です。

こうした課題を受け、IIJは、ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社(ソニー)とともに、スマート農業向けに土壌水分センサーおよび灌水(かんすい)ナビゲーションサービスを提供する合弁会社「株式会社センシフィア」を2026年2月に設立しました。IIJの通信技術やスマート農業における知見と、ソニーのセンサー開発などにおける技術力を結集させ、農業現場の作業品質向上と効率化を支援し、気候変動に対応できる持続可能な農業の実現を目指します。

金融アクセス向上への貢献

インターネットの普及により、世界中の情報に誰もが簡単にアクセスできる昨今、各方面でサイバー攻撃の脅威は高まっています。金融業界でも、マルウェア感染による不正送金や悪意のあるメールの受信など、深刻な事態に直面しています。IIJは金融ISACへアドバイザリーとして参加し、金融機関に対して主にセキュリティ情報・対策に関する情報提供を行い、金融取引の安全性向上に貢献しています。

Fintech推進を通じた金融アクセス向上への貢献

DeCurret

IIJは2018年、各業界を代表する企業とともに、「ディーカレット」を設立しました。デジタル通貨の利用を促進・拡大するためには、安心して使えるプラットフォームを構築すること、既存の金融インフラと連携し利用者の利便性を確保することが必要です。ディーカレットは、「デジタル通貨に特化した送受・保管・交換が可能な金融プラットフォームを創り、すべての取引を安全でシンプルにする」ことを掲げ、誰もが安全に簡単にデジタル通貨にアクセスできるプラットフォームの構築に取り組んでいます。2024年8月には、ディーカレットがシステムリリースした「DCJPYネットワーク」において、GMOあおぞらネット銀行が発行するデジタル通貨DCJPYを利用して、IIJが環境価値のデジタルアセット化とDCJPYによる決済取引を開始しました。現在では、金融や不動産など多様な業界で事業化に向けた検討が進められています。


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